STORY
プロジェクトストーリー
STORY 1
新体操日本代表(フェアリージャパン)の衣装が完成するまで
初の“本番衣装”制作
アートスポーツ販売課
営業担当
Iさん
当社は2013年より、体操日本代表(フェアリージャパン)の公式サプライヤーとして、レッスンウェアや公式ジャージの作成、提供を行ってきました。
そんな中、日本体操協会から一つの依頼が。
オリンピックの競技で着用するウェアを作ることになったんです。
大きなお話でしたし、私もびっくり!
チャコットとしても、本番の衣装というのは初めての試みになります。
オリンピック予選に合わせて、2ヶ月半という短い時間でしたが…
各工程の担当メンバーに協力してもらい、完成に漕ぎ着けることができました。
完成品をお持ちし、選手にその場で演技して頂き、チェックされます。
選手から「着心地が良かったです」と言ってもらえた時には……
緊張、安心感、達成感、様々な感情で崩れ落ちそうになってしまいましたね。
和をテーマにしたデザイン
アートスポーツ販売課
デザイナー
Kさん
今回のテーマは“日本らしさ”。
それを伝えられた時には、まだ制作が始まる前なのに緊張してしまいました笑
これまでも、「KIMONO」をイメージした衣装はあったんですが…
明確に「和」をデザインの中心に据えたウェアというのは、実は日本代表としても初の試み。
日本が出す着物モチーフの衣装。
デザイナーとしてのワクワクもありましたが、やっぱり責任を感じてしまいますよね。
発注時に演技と曲の情報はいただいていましたが、手裏剣が飛ぶような効果音や、ソーラン節のようなリズムなどなど…
和を感じさせる要素がたくさんあって。
そこで、富士山と大波を描いた、葛飾北斎の富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」を大胆にあしらいました。
また、腰部は帯を締めているようなデザインに。
全体的に着物の要素を取り入れています。
本番後は…
国民の皆様からダイレクトに感想が届く時代ですし、不安もありました。
私自身は手応えを感じていましたが…
SNSなどでの反応も良く、本当にホッとしましたね。
動きやすさを重視した型紙制作
生産・衣裳課
パタンナー
Iさん
デザイン後の工程は、あまり知られていませんよね。
一言で説明すると、“型紙を作る”のが「プランナー」担当の役割です。
立体感の出し方や素材の使い方などで着心地が変わり、それによって演技のクオリティにも影響が出ます。
今回、選手たちからは「踊っていてストレスにならないものが欲しい」という要望を頂きました。
通常、体操のウェアは首元まで布地で覆われ、ファスナーでとめることがほとんど。
ですが、今回は動きやすさを優先し、背中を大胆にあけ、ファスナーを使わない設計に挑戦することに。
フィット感を出しつつ締め付けすぎない、さらに体のラインをシャープに見せなくてはなりません。
そこで、裁断や縫製も考慮して型紙の精度を追求。
ただ、もうひと工夫必要でした。
そこで、肌色の部分にロイヤルスムース素材を使用することを思いつきました。
当社の製品でも頻繁に使用されている生地ですが、素材自体のクオリティが高いんです。
その部分でもご好評をいただくことができたと思います。
パターンによる立体感の演出
生産・衣裳課
パタンナー
Yさん
オリンピックに臨む上で、演技をする上で、メダルを目指す上で…
日本代表陣営は、とにかく「立体感」にこだわっていました。
そこで、伸縮性のある生地であることを考慮し、伸びた時にも体のラインに沿うように型紙を作成することに。
また、デザインとして「帯」のコンセプトがあり、それを落とし込むことには、本当に苦労しました。
より日本らしさを出すために、是非とも入れたい要素です。
ただ、衣装にボリュームが出てしまってもいけません。
帯の部分が立体的に見える結び方に、メンバー皆で四苦八苦。
完成品を見ればただの“紐”かもしれませんが、ソコに工夫が詰まっているので、注目してみてください!
イメージを形作る最後の装飾
生産・衣裳課
衣装制作
Kさん
衣装のベースが完成したら、そこに装飾を施していくのが、私たち「衣装制作」のお仕事です。
機械で作ることができない、人の手でないと加工ができない部分を担当するのですが、まさに職人技。
6着を3人がかりで進めても、1ヶ月かかるとても大変な作業でした。
デザイン上で決められたイメージをもとに、実際に「石」の種類や色を選定して、ひとつひとつ手作業で付けていきます。
毎日、「石」と「衣装」とにらめっこです笑
装飾をたくさん付けて欲しいとオーダーされることが多いのですが…
ついている場所とついていない場所に差をつけることで、目立たせたい部分を強調できます。
今回は、胸元に装飾を集中させることで、胸部に光が集まっているような演出を施しました。
また、スカートには波のような表現に。
日本らしさ、和のテイスト、日本の皆様にも海外の方にも、存分に感じていただけたのではないでしょうか。